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ネットストーカーから身を守る方法

ネットストーカーは重大な犯罪です。ここでは、インターネット上で個人情報を保護する方法を説明します。

テクノロジーの進化によって、今では 10 年前には想像もつかなかったようなライフスタイルが実現しています。さまざまなテクノロジーを使って、隣の部屋にいる人とも海外にいる人とも同じようにチャットをすることが可能です。あらゆるものが驚くほどスピーディなので、ものの数秒で世界中のさまざまな情報にアクセスできます。

その一方で、こうした新しいコミュニケーション手段を実現するテクノロジーを悪用する人間も存在するのです。

ネットストーカーとは

ネットストーカーとは、名前が示すとおり、ネット上のストーカーのことです。インターネットやその他のテクノロジーを利用して、特定の相手に嫌がらせをすることを意味します。たとえば、根も葉もない噂を流す、監視をする、脅迫を行う、個人情報を盗む、データの操作や破壊を行う、といった行為が一般的な特徴です。

ネットストーカーは、電子メールやインスタントメッセージ、電話などの通信手段を悪用して、セクハラ、不適切な接触、相手の生活や家族に対する迷惑行為を繰り返します。

ネットストーカーは SNS ストーカーとは似て非なるもの

SNS で特定の誰かの行動を嗅ぎまわることを「ストーカー」と呼ぶ人もいるようですが、このような誤った使い方によって、「ネットストーカー」という重大な犯罪行為が軽く見られてしまう可能性があるので、注意が必要です。

キャットフィッシング (Catfishing)
キャットフィッシングは、新手のネットストーカーの一種です。SNS サイトで他人になりすまし、名前や写真、住所を偽って、恋愛対象や共通の友人として近づいてきます。また、実在する人間に見せかけるために、既存のユーザーのプロフィールをコピーして利用することもあります。

こうした偽のプロフィールは、以下の方法で見破ることができます。

  • ユーザーのプロフィール写真を Google で画像検索します。偽物であれば、複数のプロフィールやウェブサイトが見つかります。キャットフィッシャー (Catfisher) はそこから画像を勝手に使用しているのです。
  • ユーザーの友達の数をチェックします。Facebook ユーザーの友達数は、世界平均で約 130 人、日本人ユーザーになると平均 50 人前後になります。キャットフィッシャーのアカウントの場合はこれを大きく下回るという点に注意してください。
  • ユーザーの写真を注意深く確認します。実在する人間の写真であれば、友人や家族が一緒に写っていたり、何かのイベントで撮られていたりするものです。一般に、キャットフィッシャーの場合は、自撮りやモデルのようなポーズ写真が使われています。また、写真に他の人がタグ付けされているかどうかをチェックし、タグ付けされた人がそのユーザーの友人であることを確認してください。
  • キャッシュフィッシャーの疑いがある場合は、身元を確認するためにウェブカメラを通して Skype で話したいと依頼してみましょう。あれこれ言い訳をして応じない場合は危険信号です。

ネットストーカーから身を守るには

あなた自身やあなたのパソコン、家族を狙うネットストーカーから身を守るためのアドバイスは以下のとおりです。

  • パソコンやスマートフォンなど、ネット接続が可能なデバイスに他人を近づけいように注意してください。知らない間にパソコンに怪しいハードウェアを取り付けられてしまう恐れがあります。ネットストーカーは、ソフトウェアやハードウェアを使ってあなたを監視します。
  • パソコンから離れるときは必ずログアウトし、パスワード付きのスクリーンセーバーを使用してください。スマートフォンも同じようにパスワードで保護します。家族全員で習慣付けるようにしてください。
  • パスワードの管理と保護を徹底してください。パスワードは決して他の人と共有してはいけません。また、定期的に変更することも重要です。
  • SNS を含め、ネット上のカレンダーや予定表に参加予定のイベントを記入している場合は、削除するか非公開にしてください。あなたが、いつどこに行くかネットストーカーに知られてしまう恐れがあります。
  • SNS では、名前や誕生日、勤務地、住所など多くの個人情報が表示されます。すべての SNS アカウントのプライバシー設定で、信頼できるグループ以外のユーザーへの情報公開を制限してください。プライバシー設定では、誰かがあなたの名前を検索したときにプロフィールが表示されないようにできます。また、ユーザーをブロックして、あなたの投稿や写真を見られないようにすることも可能です。
  • SNS などを通して写真を投稿する場合は、写真のメタデータを削除してください。メタデータには、撮影した日時や場所、撮影に使ったデバイスなどの個人情報が記録されています。多くの場合、メタデータはスマートフォンで撮影された写真に付いています。お使いのスマートフォンの設定で、位置情報やジオタグと呼ばれる機能をオフにすることが可能です。
  • フィッシング攻撃や感染したウェブページを通してスパイウェアがパソコンにインストールされないよう、ノートン セキュリティなどのセキュリティソフトウェアを使用してください。セキュリティソフトウェアを使用すると、デバイス上のスパイウェアを検出し、ストーカー被害に遭うリスクを減らすことができます。
  • 交際相手と別れた場合は、すべてのオンラインサービスのパスワードを変更してください。別れた相手には知られていないと思っていても、念には念を入れることが大切です。

自衛意識を高める

安全だと思っても、インターネットでは決して個人情報を公開しないようにしましょう。知らない人には実名や住所、電話番号、さらには住んでいる街の名前さえも教えないようにしてください。

インターネット上の個人情報を確認する

あなたの情報を Google で検索できるかどうかチェックしてみてください。インターネット上であなたに関する情報はどのくらい見つかるでしょうか。自分のことを Google で検索したことがなければ、一度試してみましょう。どのような個人情報が公開されているかわかるはずです。いくつかのキーワードを組み合わせて検索してみてください。まずは氏名から、次は氏名と電話番号、その次は氏名と住所、氏名と誕生日などのように検索します。さらに、Google 画像検索でこれらの情報を検索し、あなたに関する情報が保存されているサイトを調べることも可能です。SNS でも同じように検索してみましょう。また、家族についても検索して、家族のプロフィールからあなたについてどのような情報が公開されているか確認します。

重要な個人情報が簡単に見つかるようであれば、以下の方法で削除することができます。

  • 写真の場合や、ウェブサイトにあなたの住所、電話番号、誕生日などの個人情報が登録されている場合は、そのサイトに問い合わせてデータの削除を依頼してください。
  • 銀行口座やクレジットカード番号などの重要な個人情報の場合は、Google 社に情報の削除を依頼してください。

通報する

ストーカー行為に気づき、それが深刻な問題だと思える場合や、実際に脅迫を受け始めた場合は、警察に通報してください。ネットストーカーの被害を受けた場合は、電子メールや画面の画像を証拠として記録しておきます。画面の画像は、PrintScreen キーなどを使って保存することが可能です。警視庁ストーカー対策室など、ストーカー被害のための相談窓口が用意されています。ネットストーカーは犯罪です。誰かがスパイウェアを使って、あなたの日々の行動を監視していると疑われる場合や、身の危険を感じる場合は、必ず公共のパソコンや公衆電話を使って助けを求めましょう。自分のパソコンやスマートフォンを使うと、助けを求めていることがストーカーに知られ、さらに危険な状態に陥るおそれがあります。