無線インターネットアクセスは、現在最も便利な技術の 1 つです。ところが、自宅の無線ルーターは、ハッカーのアクセスポイントにもなり得るのです。Wi-Fi ルーターのセキュリティをきちんと設定しておかないと、第三者が無線対応デバイスからホームネットワークに侵入する可能性があります。その結果、電子メールや銀行情報、さらにはスマートホームの毎日のスケジュールの詳細までもが犯罪者に筒抜けになってしまいます。
基本的な無線セキュリティ
犯罪者のアクセスを防ぐには、すべてのルーターにパスワードを設定しておきます。ルーターによってはあらかじめパスワードが設定されていますが、このようなパスワードはセットアップ時に変更してください。無線ルーターには簡単に新しいパスワードを作成できます。ほとんどの人ができる作業で、わずか数分で完了します。具体的な手順はルーターによって異なりますが、基本的には次のような流れです。
1.どの無線ルーターにも 管理画面にアクセスする IP アドレスが設定されています。取扱説明書を紛失した場合でも、ルーターのモデル番号でオンライン検索すれば見つかる可能性があります。
2.セキュリティ設定で、ルーターの名前とパスワードを指定し、暗号化の種類を選びます(後ほど詳しく説明します)。苗字など、自分と簡単に結び付く名前は使わないようにします。
3.自分が覚えられる強力なパスワードを設定します。ただし、簡単に推測できるものは避けてください。
4.更新した情報を忘れずに保存します。これで、インターネット上を徘徊するハッカーからルーターを守ることができます。
暗号化の種類
使用できる暗号化の種類はルーターによって異なります。市販のルーターでは、主に以下のような暗号化方式を選択できます。
● WEP(Wired Equivalent Privacy): ルーターの暗号化プロトコルの中で最も歴史が長く、最もよく使われています。ただし、セキュリティ面では最も劣っています。
● WPA(Wi-Fi Protected Access): WPA は、WEP の短所を克服するために Wi-Fi Alliance が規定した暗号化プロトコルですが、セキュリティ強度は高くありません。その原因の 1 つに、レガシーハードウェアやファームウェアでいまだに WEP が主なプロトコルとして使用されていることがあります。ただし、WEP と比較すると飛躍的に改善されています。
● WPA2(Wi-Fi Protected Access 2): 暗号化プロトコルの中で最も新しく、最もセキュリティが強化されています。WPA2 を選択できる場合は、必ず使用するようにしてください。
● AES(Advanced Encryption Standard): 可能な場合は、WPA2 や WPA に加えて AES を使用することをお勧めします。これは米国政府が機密情報保護のために使用している暗号化プロトコルです。2006 年以降に製造されたルーターには、WPA2 に加えて AES を有効化するオプションがあるはずです。
さらに、各種の機能が完備されたインターネットセキュリティソフトウェアならファイアウォールが搭載されており、セキュリティがより強化されます。
無線ネットワークのセキュリティを設定するのは、それほど時間がかかる作業ではなく、ハッカーの攻撃を防ぐのに大変有効です。隣人による Wi-Fi の無断利用を防ぐということだけでなく、もっと悪質な傍受から身を守ることができます。多くの家庭でネットワークに接続し、さまざまなデバイスで Wi-Fi を利用している現在、こうしたデバイスに保存された情報をすべて保護しておくことが賢明だといえます。油断は禁物です。ほんの数分かけてホーム Wi-Fi 設定を正しく選択するだけで、ネットワーク接続した環境が劇的に変わります。