みなさん、こんにちは。今回はノートン インターネットセキュリティ Mac版新バージョンのリリースにあたって来日中のMac向け製品担当 プロダクトマネージャ マイク・ロモに、製品についてインタビューを行いました。
コミュニティーマネージャー(以降CM):今回ノートン インターネットセキュリティ Mac版(以降、NIS Mac)のバージョンアップに5年かかっていますが、それはなぜですか?そして何故今、新バージョンのリリースに至ったのでしょうか。マイク:それには2つの理由があるよ。1つはフィッシング詐欺の脅威が増し、それに対する専用のセキュリティ対策が早急に必要だと判断し、ノートン コンフィデンシャルの開発を優先して進めてきたんだ。
並行してノートン アンチウイルスFor Macのアップデートも行っていたよ。新しい機能の追加こそなかったけれども、常に最新の状態にアップデートを行っていたんだ。実はAppleが新しいOSのバージョンをリリースする度に、ちゃんとノートンが正常に動くように大がかりなパッチを作ってアップデートをかけていたんだ。その度スケジュールは大きく影響され、なかなか新しいバージョンを作ることができなかった。OS 10.2から始まって、10.3、10.4、10.5と、OSがアップデートされるたびにそれに合わせていたからね。Appleがソフトを改善すれば、僕達もそれに合わせて改善してきたんだ。そこでOS 10.5が出てくる時に既存のファイアウォールのコードを全て書き直さなくてはいけないことが判明してね。結局全ての予定を変更して新バージョンを作ることになったんだ。だから、1つはノートンコンフィデンシャルの開発、もう1つの理由はMac OS 10.5の登場がその理由だね。
CM:新しくリリースされたノートン インターネットセキュリティ Mac版でマイクが一番気に入っている機能は何ですか?
マイク:僕たちは新機能について相当長いこと考えていたからね。まるで自分の子供のようだよ。そうだな、一番近代的、という意味でDeepSight だな。
何でかと言うと、僕たちはセキュリティベンダーの世界的リーダー企業で働いている。グローバル企業なだけあって、世界中にセキュリティリサーチセンターを持っている。その世界中のセキュリティリサーチセンターから集められ解析された情報を個人を守る為に使えるんだ。それはシマンテックだけができること。誰かが攻撃を受けて、それをセキュリティリサーチセンターに投げ、セキュリティリサーチセンターがそれを解析して世界中のコンピュータに「気をつけろ」と知らせてあげるんだ。こうやってコミュニティを形成しみんなで助け合っている。今までセキュリティソフトと言ったら、秘密主義で、まるで他の世界から隔離された城の中にいるイメージだったけど、これはそれとはまったく違う視点なんだ。ここ数年ウェブサイトがソーシャルネットワークだったりソーシャルブックマークだったり、利用者自身がサービスをリッチ化しているようにね。それに「政府機関や教育機関、大企業と同じレベルのセキュリティが君を守っているんだよ」と言えるのはとても嬉しいことだよ。
CM:今回の来日の際のブロガーズミーティングでは、機能の説明の他に開発する際の哲学というか、考え方が印象に残りましたが、新しいノートン インターネットセキュリティ Mac版を開発するにあたって、どこからインスピレーションを受けましたか。
マイク:それはやっぱりMacそのものからだね。僕たちはMacが大好きだし、Mac向けの製品を開発するのも好きだし、Mac ユーザーやプラットフォームを大切に考えている。どうしたらプラットフォームをもっと良くできるだろうってね。僕たちが開発した機能は、MacユーザーがMac製品を使う時に感じる使用感を邪魔しないように考慮したんだ。Macの「快適さ」に敬意を払ってそれを損なわないように。Macの使用感はそのままに、ただもっと安全にしただけ。もし警告やピカピカしたポップアップを出したりしたら、それはMac的ではない。静かなパートナーじゃないといけない。何かあったらそっと知らせてあげるんだ。それ以外はバックグランドで静かに仕事をする。良いセキュリティ製品は邪魔するのではなくて、安心感を与えることだ。そういった感情的な繋がりを持てるのが良い製品だね。そう言った意味でもMacからインスピレーションを常にもらっているよ。Windowsだったら何か壊したんじゃないか、とすごく不安な気持ちになるでしょう。例えば印刷をしたら、わざわざ「印刷しました」と出てくる。俺が印刷したんだから、して当たり前だろ、と突っ込みたくなるよね(笑)例えばここにハンマーがあるとしよう。君はハンマーと言い争う必要はないでしょ?シンプルに、叩いて使う。Macはそんな感じなんだ。セキュリティソフトもそうでなきゃだめだと思うね。
CM:そのユーザーにセキュリティソフトが「そっと」と、「ちゃんと危険を伝える」という境界線を決めるのが難しいと思いますが、今回の開発ではどうでしたか?
マイク:どこでユーザーに告知するか、とても議論したね。そしてその告知に対してどう感じるか慎重に検証をしたよ。もし何かあった場合、「ウイルスをみつけました。駆除しました。詳しくはこちらをご覧ください。」と、教えてあげるんだ。「ウイルスに感染!」って驚かすんじゃなくてね。もっと知りたければ詳細が見れる選択肢を与え、そのままやっている作業を続けたければ安心したまま続けられるようにな環境を作ることに専念したよ。ウイルスに感染したら普通はみんな不安になるもんでしょう。そこでもっと不安にさせるのではなく、逆に安心させてあげる、そういった感情の関係を築けるようにしたい。だから例えば英語版では大文字を使うのもやめたんだ。ユーザーに叫んでるようだからね。そういったひとつひとつ細かいことを慎重に考えて進めたよ。だからその境界線っていうのは、とにかくユーザーが安心できる環境を、という考えを軸でひいてきたよ。
それとよくMacユーザーはセキュリティ製品の話になると、怪訝になってしまう。「セキュリティソフトが必要ですよ」と言うと、まるで「Macは良くない製品ですよ」とMacを批判してるというとらえ方をする人も少なからずいるんだ。僕たちはMac製品は良くないって言いたいんじゃないんだ。Macは素晴らしいよ。だけど、特にインターネットの脅威が変化した今、もう一階層のセキュリティを持つべきだと言っているんだよ。その点Appleはセキュリティ会社じゃない。コンピュータ会社で、音楽会社だよ!そこでセキュリティ専門の僕たちがMacユーザーを驚異から守る為に日々働いているんだ。
CM:では最後に日本のユーザーにメッセージをお願いします。
マイク:まずは、このブログを今後も読むこと!最新の情報を得ることも、僕たちの考えや思想を知ることもできるし、それにコメントを通じて対話をすることもできる。僕たちは結果的に製品を売っているけれども、それより大事なのはみんなを守ることなんだ。極端な話、僕たちの製品を買わなくてもいいよ。何もセキュリティ対策をしてない人は一番簡単にできることはOSのアップデートをかけること。まずはフリーのセキュリティソフトウェアをダウンロードしてもいい。あとネットに書き込みをする時は慎重に考えてから書き込むこと。面接を受ける人は面接官が簡単に素行を調べられる時代なんだよ。今僕たちは過去と全然違う世界に生きている。しかも日々変わっている。だからシマンテックはこうやってブログやメディアを通じて、ユーザーにオンラインの脅威の啓発を行ったり、困ったことを聞いたりしようとしているんだ。ただ黄色い箱を売りたいだけじゃないんだよ。僕が他でもないシマンテックで働いている理由は、みんなの安全を守りたいからなんだ。最高の製品を作ってみんなが安心してインターネットができるようにしたい。給料だとかそんなもんじゃないし、きっとシマンテックの他の社員も同じ気持ちだと思う。だからみんなには顔のない会社、ではなく、パートナーだと思ってくれることを心から願うよ。
CM:ありがとうマイク。
マイクが言ったように、ノートン プロテククション ブログ 日本版では、セキュリティに関する様々な情報をお届けすることで、皆様の日々の安全なネットライフに少しでも役立てていただける場を目指しています。皆様のご意見・ご要望もコメントに残していってくださいね。
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