ソフトウェアの更新が利用可能なことを通知するポップアップは頻繁に表示されます。何か作業中に表示されることが多いので、つい［後で通知］ボタンをクリックしてしまいがちです。そして、その「後で」がやって来ると、またポップアップが表示され、更新をインストールしてパソコンを再起動するよう求めてきます。ここでも、先ほどと同様に何かをしている最中なので、後回しにしてしまう・・・と同じことの繰り返しです。でも、この通知は私たちの邪魔をしようとしているわけではありません。ソフトウェアを更新することは、実は本当に重要なことなのです。
更新をインストールしないといけない理由
ソフトウェアの更新は、さまざまな処理を行います。更新には OS 用のものと個別のソフトウェア用のものがあり、いずれも実行すると、パソコン上でたくさんの修正が行われます。たとえば、新機能の追加や、古くなった機能の削除、ドライバの更新、バグの修正などがありますが、なかでも重要なのは、それまでに見つかった脆弱性の修正です。
ソフトウェアの脆弱性のリスク
ソフトウェアの脆弱性とは、OS やソフトウェアで見つかったセキュリティホール、つまり弱点のことです。ハッカーは、特定の脆弱性を突いたコードを使ってマルウェアを作成し、こうした弱点を悪用します。ユーザーが悪質なウェブサイトにアクセスしたり、侵害された電子メールを開いたり、マルウェアに感染したメディアを再生したりするだけで、パソコンがマルウェアに感染してしまうのです。
パソコンに感染したマルウェアは、データを盗んだり、攻撃者がパソコンを操作できるようにしたり、さらには、元々想定されていない方法でソフトウェアを使用することさえできるようになってしまいます。ソフトウェアの脆弱性を悪用した最近の事例としては、世間を騒がせた Mac OS X や Linux を狙った「Shellshock」脆弱性が挙げられます。
このため、たとえソフトウェアの更新が面倒に思えたとしても、インターネットを安全に使うための予防策だと考えて、次にソフトウェアの更新のポップアップが表示されたときには、先送りにしないで［今すぐインストールする］ボタンをクリックするようにしてください。