概要
言うまでもなく、コンピュータの保護を強化するにはウイルス定義をいち早く受信することが重要です。ノートン 2009 に導入された新技術の 1 つ、ノートン パルスアップデートは、作成されたばかりの新規ウイルス定義をほぼ即座にダウンロードし、信頼性とパフォーマンスを両立させます。
新しいウイルス定義は、作成されるとすぐに軽量のパルスアップデートとしてアップロードされます。最新のパルスアップデートはノートン LiveUpdate によって 5 分間隔でダウンロードされ、ユーザーが利用する PC のウイルス対策機能にただちに組み込まれます。
パルスアップデートはきわめて高速で、バックグラウンドでサイレントに動作します。メイン画面で[定義の更新]を見なければ、ユーザーの方はまったく気づかないかもしれません。電源の入った PC をインターネットに接続している状態では、[定義の更新]欄に 5 分より大きい数字が表示されることはほとんどないはずです。
パルスアップデートのメカニズムは、高い信頼性を備えた強力なノートンの完全自動 LiveUpdate メカニズムによって補完されています。パルスアップデートを数回逃しても心配はいりません。LiveUpdate が定期的にすべてを最新の状態にしてくれます。
動作のしくみ
シマンテックのセキュリティレスポンスチームは、常時新しいウイルスを分析してウイルス定義の作成に取り組んでいます。新しいウイルス定義を作成したら、その定義が間違って未感染ファイルをウイルスと判定しないかどうかテストが行われます。ほとんどの場合、作成された定義は短時間のうちにその安全性と効果が確認されます。以上の手順を経て、ウイルス定義はパルスアップデートとしてアップロードされます。
パルスアップデートは約 15 分間隔で発行され、その間に作成された定義はすべて 1 つのパルスアップデートパッケージにまとめられます。LiveUpdate サーバー上のパルスアップデートパッケージはこの新しいパッケージで置き換えられます。
ノートン LiveUpdate をパルスアップデートモードに設定すると、サーバーに新しいパルスアップデートパッケージがないかどうか 5 分間隔で確認します。新しいパッケージがあればダウンロードしてパルスアップデートを抽出し、すでに PC 上に存在するパルスアップデートに追加します。これらの処理はパフォーマンスを重視して設計されており、きわめてシンプルかつ高速に実行されます。
ノートンはただちに新しい定義をロードして使用するので、ウイルスが実行されるとすぐに検出することができます。また、すでにウイルスが実行されていないかどうかもすばやくチェックします。
シマンテックでは、パルスアップデート以外にまとまったウイルス定義パッケージも発行しています。まとまった定義は約 8 時間ごとに発行され、新しいものも古いものも含めてすべてのウイルス定義がバージョン付きの正式なセットとしてパッケージ化されます。これには、その時点で発行済みのパルスアップデートがすべて含まれます。このセットは全体としてテストされた後、種類の異なる多数のパッケージとして発行されます。各パッケージには、特定の旧バージョンの定義セットから最新の定義セットに更新するために必要な情報が含まれます。
コンピュータがアイドル状態になると、1 時間おき(アイドル状態にならない場合は 6 時間おきに)に自動 LiveUpdate がサーバーにアクセスし、新しいまとまった定義セットがないかチェックします。新しいものがあれば、使用中の PC にあるまとまった定義セットを最新の定義セットに更新するための専用パッケージをダウンロードします。この自動 LiveUpdate セッションでは、プログラムアップデートなどその他の更新についても別途チェックが行われます。
まとまった定義セットが最新の状態に更新されると、それまでのパルスアップデートはすべて最新の定義セットで置き換えられます。もともとパルスアップデートは PC に一時的に存在するだけのものなので、LiveUpdate でパルスアップデートをファイルに保存したり整理したりする必要はありません。これも、ノートン LiveUpdate がパルスアップデートを高速に効率よく実行できる理由の 1 つとなっています。
複雑なウイルス定義の場合は、安全性と効果の確認に時間がかかることがあります。このような定義はパルスアップデートとしてではなく、まとまった定義セットの一部としてテストと発行が行われます。
パルスアップデートと完全な自動 LiveUpdate にはどちらも新機能のサイレントモード設定が適用されるので、サイレントモードを有効にすると機能が完全に停止します。アプリケーションを全画面で実行して自動的にサイレントモードになるとパルスアップデートは停止し、完全な自動 LiveUpdate も 64 時間後に動作を再開します。
まとめ
パルスアップデートは、信頼性を損なうこともパフォーマンスを大きく低下させることもなくウイルス定義をユーザーのコンピュータにきわめて高速に発行できる配信チャネルとなっています。
この記事はNorton Protection Blog(英語)にて掲載された内容を日本向けに編集された記事です。
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