インターネット犯罪者は、主に金銭取得を目的に、クレジットカード情報などの個人情報を盗みだそうとしています。犯罪者がより多くのインターネットユーザの個人情報を盗み出すために、スパムメールを配信したり偽のセキュリティソフトを配布したり、サイトに悪意のあるプログラムを埋め込むなど、あの手この手を駆使しますが、その時に利用されるのが、高い関心が持たれる時事的ニュースや有名人関連のニュースで、人々の「知りたい」、「調べたい」心理を巧みに利用しています。
シマンテックは、過去1年間でなんと40兆にものぼるスパムメッセージを検知しました。これは、世界中の人々が一人当たりなんと5,000通受け取ったことになります。下記は、最もリスキーなセレブのトップ5です。
■最もリスキーなセレブ 2009
1位 マイケル・ジャクソン
6月25日の「キング・オブ・ポップ」の突然の死は世界中の人々に衝撃を与えました。インターネット犯罪者は、人々の「なぜ?」「もっと詳しく知りたい」という心理をつき、彼の死後数時間で、多数のスパムやマルウェアをまき散らしました。悪意あるリンクをクリックさせようとしたり、メールを開かせようと、「Who killed Michael Jackson?」という件名のスパムメールが大量に配信されたりしました。
2位 セレナ・ウイリアムス
9月に開催された「2009 US.オープン」でラインジャッジのフットフォルトのコールに怒り、有名テニス選手のセレナ・ウイリアムスが途中退場となりました。インターネット犯罪者は、このラインジャッジを自分の目で確かめるために、世界中でインターネットムービーが閲覧されることを予測し、そのサイトに偽のアンチウイルスソフトを仕込んだのです。
3位 パトリック・スウェイジ
ハリウッド・スターの死去は、関心の高いニュースです。マイケル・ジャクソンの死去と同様、「ダーティ・ダンシング」や「ゴースト/ニューヨークの幻」などへの出演で人気を博したパトリック・スウェイジの死去を、インターネット犯罪者は悪用しました。サイトには偽のアンチウイルスソフトが仕込まれてもいました。
4位 ハリー・ポッター
2009年の夏に公開された人気シリーズ第6弾「ハリー・ポッターと謎のプリンス」の公開に合わせ、多くのスパムやマルウェアが配布されました。予告編を観ようとサイトにアクセスしたファンは、同時に悪意のあるコンテンツにもアクセスしてしまったのでした。
5位 バラク・オバマ大統領
第44代アメリカ合衆国大統領バラク・オバマ氏の発言や報道は、就任前より多くの関心を集めていました。「医療」や「経済」など、人々の生活に高い影響を持つオバマ大統領関連のニュースは、犯罪者にはスパムやマルウェアを配布する絶好のチャンスになっています。
■インターネット犯罪から身を守るための10ヵ条
- 送信者がわからないメールなど、疑わしいメールやメールへの添付ファイルを安易に開けない
- 個人情報をたずねるようなメールに返信たり、安易に入力したりしない
- 常に最新のセキュリティ対策を施す(信頼できるメーカーのセキュリティ対策製品を購入、オンラインでの場合、信頼できる会社のサイトでの購入)
- 運営者がわからないサイトからファイルダウンロードを安易にしない。また作成者が信頼できないファイルは安易に開けない
- インターネットにモバイル接続する場合は、セキュリティが有効なネットワークを利用し、パスワードで接続を保護する。知らないコンピューターをホームネットワークにアクセスさせない。
- パスワードは、文字と数字を組み合わせたものを使用する。また、定期的にパスワードの変更をする
- セキュリティ対策が施されていないサイトに、クレジットカード情報の入力はしない。入力するサイトがhttps://で始まっているかを確かめ、スクリーン右下に表示される南京錠のアイコンがロックされていることを確認する
- ウェブサイト評価をするソフトウェアやサービスを導入し、危険なサイトへのアクセスを未然に防ぐようにする
- 身に覚えがない取引がないか、銀行口座の取引状況やクレジットカードの利用明細を定期的にチェックする
- インターネット犯罪から自分自身を守るためにさらに詳細な情報は、こちら(PDF)をご覧下さい。