ノートン製品をご利用のみなさまへ
ノートン 2009 シリーズでは、パフォーマンス向上が重要なテーマとなっています。このパフォーマンス向上がノートン 2009 シリーズの最大のテーマであることは、その最初の技術プランニング会議のときから、シマンテックの経営陣や製品エンジニアリング、QA(品質保証)、設計、開発チームなど全員の共通の理解でした。以来、たくさんのアイデアやコンセプトが生まれ、それらについてさまざまな議論を続けてきましたが、ユーザーの皆さまにご満足していただけるよう、世界最高のセキュリティソフトウェアを開発することを共通の目標とし、全員が一致団結して取り組むという姿勢は変わりませんでした。
今回、これまで以上の厳しいパフォーマンス評価基準を設定してノートン インターネットセキュリティ 2009 とノートン アンチウイルス 2009 を最も高速で軽量のソフトウェアにしようという試みは、セキュリティソフトウェア全般の既成概念を見直すきっかけにもなりました。ノートン 2008 シリーズもシステム負荷の軽減という点では満足のゆくものでしたが、その後も製品に厳しい課題を課し、満足のゆく答えが見つかるまで追求の手を緩めないという姿勢を貫くことで、さらなる改善を図ってきました。
今回、ノートン 2009 シリーズの開発サイクルでは一貫してエンジニアリングおよび製品マネジメント分野のベストプラクティスを追求し、多くの困難な課題を克服してきました。ノートン 2009 シリーズで私たちが取り入れた戦略の概要は次のものです。
最高レベルのエンジニアリングとイノベーションの追求
- 基盤となるコードとロジックを最適化する
- 「セキュリティを追求するとパフォーマンスは低下する」という既成概念にとらわれることなくエンジニアリングの限界に挑戦する
- アーキテクチャとインフラストラクチャの設計を見直し、パフォーマンスと使い勝手の両方を向上させる
最高レベルの製品マネジメントの追求
- 使い勝手の改善を重視しながらパフォーマンスの向上を図る
- センサを活用し、ノートン製品のバックグラウンドタスクがユーザーの作業に与える干渉や影響を最小限に抑える
- 使い込むほどにパフォーマンスが向上するよう、インテリジェントなフィードバックの流れを実装する(ノートン インサイトの項を参照)
スマートスケジューラ - 空港やコーヒーショップで、または重要なプレゼンテーション途中でのノートブック PC のバッテリ切れを防ぐ
新機能のスマートスケジューラは、ユーザーが電子メールソフト、インターネットブラウザ、表計算アプリケーションなどを利用中かどうか判断します。ユーザーがコンピュータを使用している間はノートン 2009 シリーズ製品による CPU および I/O 負荷の高い処理は最小限に抑えようというのがスマートスケジューラの基本的な考えです。
スマートスケジューラは 40 以上の内蔵センサを駆使して、ノートン 2009 シリーズ製品のバックグラウンドタスクをいつどのように実行するかをきわめて的確に判断します。たとえば、ノートパソコンがバッテリで動作していてネットワークアクティビティがない場合は、バッテリ切れを防ぐためにシステムの完全スキャンは行われません。この機能とサイレントモード設定を組み合わせることで、PowerPoint プレゼンテーションもスムーズに進めるようになります。
サイレントモード - ゲームプレイ中の警告表示を抑止
ノートン 2009 シリーズは、ビジネスユーザーとゲームユーザーの両方を想定して開発されました。重要なプレゼンテーション中や オンラインゲームのWorld of WarCraft の対戦中に余計なメッセージが表示されたら誰だって困るでしょう。この問題を解決するため、システムで実行中の作業を邪魔されると特に困るような状況では警告表示やバックグラウンドタスクを行わないようにするオプションを用意しました。
また、ユーザーがサイレントモードに設定し忘れたときのために、ノートン 2009 シリーズ製品にはゲームなどが全画面で実行されているかどうかを検出するセンサーが組み込まれています。ウイルスやその他の脅威からのオンデマンド保護を継続する必要のある活動のみが実行されるため、システムへの影響は最小限に抑えられます。
ノートン インサイト - スキャンが高速化し、スキャンをするほど賢くなる
コンピュータにロードされるプログラムやサービスの数が増えてくると、パフォーマンスの問題も大きくなってきます。ノートン 2009 シリーズには 384 項目を超えるパフォーマンス改善のための変更が盛り込まれています。これに加え、今回の製品には次第にパフォーマンスが低下するという問題を防ぐ機能も搭載されています。
たとえば、新しい P2P ファイル共有アプリケーションをシステム起動時に実行するとシステム起動時間が長くなり、CPU や I/O の負荷も高くなります。Windows OS のアプリケーションやその他のプロセスの活動も CPU や I/O の負荷を高めます。すべてのプロセスやアプリケーションを一律に未知のものとして扱うと、不要なアイテムまでスキャンしてしまい、貴重なリソースが消費されていまいます。この問題を解決するため、今回の製品では発行元、ファイルサイズ、ハッシュキー、動作評価を勘案した「信頼済み」の概念を導入しました。
システムは、アイドル時間を利用してシマンテックのバックエンドサーバーと同期し、信頼済みアプリケーションやプロセスに関する最新の情報を取得します。ノートン 2009 シリーズでは、定時スキャンおよびオンアクセススキャンのいずれのイベントにおいても、ノートン信頼済みアイテムがスキャン対象から除外されます。使い込むほどに、ノートン インサイトは不正なアプリケーションから保護してくれるだけでなく、コンピュータの処理速度の低下も防いでくれます。ノートン インサイトについては、このブログ内の別のエントリで詳しく説明しています。
2009 シリーズのパフォーマンス評価基準
2007 シリーズの開発サイクルからパフォーマンス評価基準の項目数は増加してきましたが、パフォーマンス測定基準の質と量をさらに充実させるにはどうしたらよいかエンジニアチームとの検討を続けてきました。それは、ユーザーのみなさまがパフォーマンスに関する問題に直面する原因は無数にあると考えているからです。
ノートン 2009 シリーズの開発中は毎週、そしてビルド番号が変わるたびに 46 種類ものパフォーマンス項目を測定してきました。ノートン コンポーネントによって追加されるすべてのレジストリのキーと値、すべての機能のディスク/メモリ使用量(バイト単位)、ユーザーのクリック回数、すべての機能のロード時間(マイクロ秒単位)、すべてのメニュー、リンク、ボタンの応答時間などが含まれます。
このほか、ノートンによるバックグラウンド処理のパフォーマンスも測定し、フォアグラウンドでのユーザーの操作に顕著な性能低下がないように配慮しました。たとえば、ファイルの脆弱性スキャンの実行中もユーザーによるメディアファイル(写真、音楽、映画など)のアップロードやダウンロードに影響のないようにする、などです。
ユーザーが ウェブサイトにアクセスする際も、サイトのダウンロードや表示の速度が遅くなるようではいけません。これ以外にも、システムの再起動、新しいソフトウェアのインストール、写真コレクションのバックアップなどに要する処理時間も計測しました。こうした、ユーザーのみなさまから特に要望の多かった点を考慮し改良をはかりました。実際に上記の評価基準はユーザーのみなさまからのフィードバックを直接参考にして追加されたものです。
もちろん今後も私たちはみなさまからのフィードバックがある限り、その声に耳を傾けながら改良の努力を続けていきます。次回はユーザーのみなさまの関心の高い分野を選び、パフォーマンステストの方法と結果についてお話しする予定です。私たちはみなさまのお役に立てる仕事ができて本当に光栄に思っています。それではまた次回お会いしましょう。
敬具
この記事はNorton Protection Blog(英語)にて掲載された内容を日本向けに編集された記事です。
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