今週、ノートン アンチウイルス 2011 と ノートン インターネット セキュリティ 2011のパブリックベータが公開されました。早速新たに搭載された機能や改善された機能について、ここで紹介します。(パブリックベータ版のダウンロードはこちらから、ベータ版のフィードバックについてはノートン パブリックベータフォーラムをご覧下さい。)
セキュリティ機能
【評価スキャン】
ノートン 2009製品では Norton インサイトを導入し、既知の良好なファイルのスキャンを省略することでパフォーマンスが劇的に改善しました。
ノートン 2010製品はもう一歩進化し、評価データを使ってファイルに良好、不正、不明のマークを付けるようになりました。
ノートン 2011 製品はさらに機能が強化され、ファイルについての細かな評価情報が提供されたり、ユーザーがファイルの評価スキャンを行うことができるようになります。クイックスキャン、完全スキャン、フォルダやドライブのカスタムスキャンを選択できます。スキャンが完了すると、信頼レベル、経過日数、普及率に基づくファイルの評価が表示されます。評価スキャンでは、ご自身のスキャン結果と Norton コミュニティのほかのユーザーの結果も比較されます。コンピュータのリスク状況を把握するための優れたツールといえます。
たとえば、上のスクリーンショットで、このユーザーのファイルは Norton コミュニティのほかのユーザーに比べて信頼レベル、経過日数、普及率の値が高くなっています。このテストはクリーンなコンピュータで行いました。コンピュータで実行されているプログラムにより、結果は変わります。
結果をフィルタ処理して、普及率が低いファイル、ごく新しいファイル、信頼評価が未確認または不良のファイルのみを確認することもできます。
【ダウンロードインサイトの新機能と改善】
ノートン インターネット セキュリティ 2010 のダウンロードインサイトは Internet Explorer と Firefox からダウンロードしたファイルを分析しました。ノートン 2011製品ではダウンロードインサイトで監視するアプリケーションの数と種類を拡張しました。Web ブラウザ、インスタントメッセンジャー、電子メールクライアント、FTP クライアント、P2P クライアントで使用できます。
さらに、分析するアプリケーションの対象範囲を劇的に拡張する機能も追加しました。
これらのアプリケーションの多くは、実行可能ファイルをダウンロードしたときにおなじみのダウンロードインサイト通知が表示され、ファイルが安全か、不明か、脅威なのかがわかります。脅威だった場合は、自動的に修復されます。一部のダウンロードアプリケーションでは、ダウンロードのときにダウンロードインサイト通知が表示されず、ダウンロードしたファイルを実行するときにファイルが不明または不良であれば実行前に警告が表示されます。
Norton Rescue Tools
Norton Rescue Tools は感染が深刻なコンピュータを回復するためのツールセットです。おなじみの ノートン ブータブル リカバリ ツール 以外に、今年は ノートン パワー イレイサーが導入されます。これらのツールを互いに補完し合って、さまざまな状況で使うことができます。
【ノートン ブータブル リカバリ ツール】
感染が深刻でセキュリティ製品をインストールすることが事実上不可能なコンピュータは数多く見られます。このようなコンピュータをクリーンアップするには、ノートン ブータブル リカバリ ツール を使うしかありません。ノートン ブータブル リカバリ ツール は独自のクリーンなブート環境をロードするので、システム上のマルウェアの影響を受けません。これまでこのツールの ISO イメージを提供してきましたが、ユーザーにとって CD や DVD にイメージを書き込むことは簡単ではありません。ISO をダウンロードし、CD や DVD に書き込むためのアプリケーションを探す必要があります。さらに、最近のネットブックは CD や DVD のドライブが搭載されていません。そこで、そのようなコンピュータでも動作し、使いやすいメディアでツールを利用いただく方法が必要とされました。
ノートン 2011製品は、ノートン ブータブル リカバリ ツール を簡単に CD や DVD 上に作成したり USB ドライブにインストールできます。[スタート]メニューから[Norton Internet Security]または[Norton AntiVirus]に進み、[Norton Bootable Recovery Tool]を選択するだけで、Web ページが表示され、ノートン ブータブル リカバリ ツール のカスタムコピーを作成できる次の画面のようなウィザードをダウンロードできます。
注: 現在、上記の手順では英語版のダウンロードページが表示されます。日本語版のダウンロードページはこちらです。
http://www.norton.com/jp/rescuetools
ノートン ブータブル リカバリ ツールは一般に使われる CD、DVD、USB への書き込みや、ISO イメージの作成が簡単です。
ノートン ブータブル リカバリ ツール Wizard を使うと、脅威の定義が自動的に最新版に更新され、特定のシステムのストレージやネットワークデバイスにアクセスするために必要なドライバを追加できるようになります。
【ノートン パワー イレイサー】
この新しいツールは、多少特殊な状況で使う救済ツールです。ノートン パワー イレイサーはどなたでも無料で利用できます。このツールは、Norton 製品のスキャナで通常検出されない新しいマルウェアを検出、修復します。ゼロデイマルウェアや、偽ウイルス対策ソフトウェア (別名ローグウェア、クライムウェア) などの強力な脅威を検出、修復することがこのツールの主な目的です。
ノートン パワー イレイサーの UI がこちらです。使い方はとてもシンプルです。
スキャンを開始するには[スキャン]ボタンをクリックするだけです。
【パフォーマンス警告】
セキュリティ製品のパフォーマンスは今でもユーザーの関心事です。毎年 Norton 製品はパフォーマンスの改善に向かって大きく前進しています。今年もかなりの改善を行い、今までにない高速な製品になりました。しかし多くの場合、ほかのアプリケーションがコンピュータを低速にしていることがあります。そのアプリケーションの正体を突き止めたいと思ったことはありませんか? パフォーマンス警告を表示してみてください。
ノートン 2009製品で CPU とメモリのメーターを UI に実装しました。Norton が効率的に動作していることをお見せし、ユーザーに測定していただくことがその目的でした。2010年はパフォーマンスグラフを導入し、CPU とメモリの消費の推移やコンピュータにインストールされたほかの製品を追跡できるようにしました。
2011年はさらに進化し、リアルタイムのプロアクティブなパフォーマンス警告を追加しました。CPU 使用率、メモリ使用率、ディスク I/O、ハンドル数という 4 大指標を測定します。特定のプロセスが大量のリソースを占有している場合、次のような通知が表示されます。
[詳細と設定]をクリックすると詳細が表示されます。たとえば、このケースで cpuhog.exe は大量の CPU を消費していました。
正当なアプリケーションがリソースを大量に消費することを承知したうえで実行することもできます。特定のアプリケーションを監視対象からはずす機能があり、除外したアプリケーションのパフォーマンス警告は表示されません。
アプリケーションがどのくらいリソースを消費したら警告を表示すればよいかについて、研究を重ねてきました。警告が多すぎてもいけないし、コンピュータが何らかの理由で遅くなっているのであればその詳細をユーザーに伝える必要もあります。そこでユーザーがシステムのパフォーマンスをどの程度気にしているかによって 3 つのレベルを設けました。デフォルトは中レベルですが、高または低に変更することでパフォーマンス警告による検出度合いを変更できます。
バッテリで実行しているコンピュータを考慮して、アプリケーションがリソースを大量消費してバッテリを早く枯渇させていないかどうかを示すしきい値を自動的に下げました。
【まとめ】
今回は、ノートン 2011製品の主な新機能の一部についてごく手短に概要を説明しました。ほかにも使いやすさ、品質、パフォーマンス、そして忘れてはならない保護を強化するためにさまざまな変更が行われています。ベータ版をお試しいただき、気付いたことをお知らせください。みなさまからのフィードバックをお待ちしています。
※掲載の画面は開発途中のものであり、変更される場合があります。